よくある質問

オステオパシーとは、痛みや違和感の原因を探り、技術や知識だけではなく、多数の原理に基づいて行われる手技による療法です。

総合的に人体を見る: 人間とは、体、そして精神(脳)から成っています。体は脳に、脳は体に影響します。
もし一方を深く知り、治療しようとする場合、その全体を考慮しなければなりません。さらに言えば、体は全体をつなぐたくさんの部分からなっています。
体を部位ごとに分けるとすると、頭、胴、腕、足などに分けられますが、実際のつながり方としては、そのようにはっきりと区分できません。
どの部位もひとつでは機能せず、全体が、相互の影響や働きの妨げになる作用は連動しあっています。
そのため、施術師は、例え痛みが一部分であっても、問診と施術の中で、常に総合的に人体を見るのです。

原因の追究 : 体に問題や痛みがあるときに、私たちができることとして、原因を取り除くこと、または結果(痛み)を取り除くことの2つが考えられます。
その際、オステオパスは常に、痛みを取り除く、または軽減させるために原因を取り除くことを選びます。
たとえば、もし圧縮した神経が痛みを引き起こす場合、オステオパスは、痛みに対して処置をするよりも、神経の圧縮を減らす試みをします。そして、その結果として痛みがなくなっていくのです。

人体への深い知識 : オステオパスは、高度な解剖学・生理学・人体構造の知識をよりどころとして、症状の説明をすることができます。ですので、事前に医療機関に行って診断を受ける必要はありません。
もし、オステオパシーが患者の問題に適していないときは、オステオパスはその治療に適した専門家や専門機関での受診を勧めるでしょう。

自然治癒力 : 人間の体は、健康に必要なすべての物質を作り出すことができます。ですので、副作用をもたらす恐れのある薬などの代わりに、オステオパスは、体の自然治癒力のキャパシティーを増幅させます。苦痛そのものをとりのぞく力はありませんが、痛みを感じている場所が、自分自身で回復しようとする力を助ける作用があります。

オステオパスは、機能障害および直接構造に影響しない小さな障害に効果的であるように施術します。しかし、梗塞、骨折、化膿、がん、HIVなど、重大な損傷を受けた組織を<治す>ことはできません。
しかし、患者さんが重い病気の治療を受けているとしても、助けになることはできます。すべてを治療することはできませんが、ほぼどんな人にでも施術することはできます。
骨折、最近受けた頭蓋骨への打撲、急性的な病気など以外、オステオパシーを受けてはいけないケースは稀です。
その上、オステオパシーには、年齢・性別・体重・体の大きさなどの制限はありません。
また、周期的な(季節性の)症状の予防にも適しています。
病気や痛みは、自己回復能力の限界を超えたときに現れるので、症状の根本を軽減させれば、時間とともに症状がひどくなったり、元に戻らなくなるのを防ぐことができます。
痛みがひどい場合は、施術が難しくなることが多いので、なるべく痛みがひどくなる前に施術を受けることをおすすめします。

下記が、オステオパシーの施術が効果的な症状の例です :
・腰痛
・偏頭痛 
・妊娠中の痛み 
・鬱病 
・睡眠障害 
・消化不良、便秘、下痢 
・妊娠による不調・出産による後遺症 
・スポーツによる不調 
・痩せ症 
・関節痛 
・外科手術後の後遺症・手術跡の痛み 
・新生児や乳児のさまざまな問題
・生理痛 
など

生まれてすぐの新生児や、母体の産後のケアは、特に重要です。妊娠・出産は、すべて順調であったとしても、母親だけでなく赤ちゃんにとっても負担が大きく、その後何も問題がないことは、非常に珍しいケースです。ですので、出産後は早めに相談に来ることをお勧めしています。赤ちゃんの施術で理想的なのは、出生後できるだけ早く1回、約1ヶ月後に2回目に来ていただくことです。

もし1回だけしか受けられないのであれば、生後1か月の施術が望ましいでしょう。産後のケアは、そこまで急ぐ必要はありません。骨盤底リハビリテーションの開始前にいらしてください。

また、交通事故等のケガ、鞭打ち後、手術の後、腰や頭から落ちて打撲した場合のケアも、ご相談いただけます。

私の専門は、小児オステオパシー、婦人科および周産期(産前産後)ケアですが、多くのトップアスリートを含むあらゆる種類の患者を受け入れています。

 

小児オステオパシーの対象は新生児、乳児および子供で、生まれてすぐの赤ちゃんでも対応することができます。当然ですが、新生児に適した優しいテクニックで施術します。最も多い一般的な相談は、赤ちゃんの睡眠障害(不眠、夜泣きなど)、腹部の問題(便秘、軟便、張り)、頭の形の非対称、呼吸の問題、および先天性斜頸です。

こういった問題は、子宮内での位置または分娩時の圧迫および緊張を起因とすることがあります。

例えば頭蓋骨の変形は、多くの場合、赤ちゃんが頭を特定の方向に向けられないせいで、長い間、まだ柔軟な頭蓋骨の同じ部分で支えていることになってしまうことが原因です。

 

婦人科オステオパシーは、女性特有の問題に対応します。最も多く受ける相談は2つ、月経痛と不妊の問題です。一般的に、月経時に問題があるのは普通であると考える女性が多いのですが、そんなことはありません。月経痛の原因は、通常、骨盤内臓の張りが原因です。オステオパシーの施術は、月経痛を大幅に軽減、またはなくす効果が期待できます。また、子宮内膜症に関連する痛みに対しても非常に効果的です。

 

周産期オステオパシーは、妊娠、出産、および妊娠後遺症に関連するすべてのものに対応しています。

妊娠中であっても、相談はお受けしています。例えば、妊娠中の痛みを和らげるため、あるいは出産の準備をするためにもオステオパシーを受けることができます。

骨盤や尾骨の動きや子宮や会陰の張りなどの関節閉塞を解放することで、例えば、出産をより短時間で容易にし、吸引や帝王切開の必要とする可能性をできるだけ少なくする効果が期待できます。

出産予定日に、まだ赤ちゃんが下がって来ない場合や、逆子である場合、正しい位置に戻す手助けをしたり、

出産が始まるように促したりすることもできます。

産後は、妊娠時や出産時のダメージからの回復に役立ちます。内臓が元の位置に戻るのを助けること、

骨と関節が正常な機能に戻るのを助けること、会陰切開術または帝王切開瘢痕などのケアをすることを必要とすることがあります

さらに、効果的な腹筋、会陰筋を鍛えるヒントやエクササイズのアドバイスをすることもできます。

問題のタイプや患者さんの状態によりますが、だいたい、施術は、一箇所が良くなるのに1~3度ほどかかります。

また、1度施術をした後の次回の来院は、通常2週間~4週間くらいの期間を空けていただいています。

施術の流れ: オステオパシーの施術は、まず、問診から始まります。 
そのとき、来院の理由、また、患者さん自身について、病歴(古いものであっても)、要するにすべての健康に関係すると思われる項目について、質問します。 
次に、オステオパスは”診断“を行いますが、医療的な診断ではなく、問診と所見、特に可動テストと触診に基づいたオステオパシー的な診断が主です。

その後、施術に入ります。痛みのないテクニックで、体全体に施します。 
そして、施術後に、効果をより高めるためのアドバイスと、効果をなくしてしまわないように注意点を伝えます。

体の組織は、施術後少しかき回されている状態です。
体がバランスを取ろうとする間、だるさ、疲労感、または症状が悪化したように感じる、といった一時的な不快感が表れます。その反応は、排除しようとする過程で、まれに2日~5日ほど続くことがあります。 
すべての変化を体が受け入れるためには、少なくとも1週間は必要です。 
施術の回数と頻度は、患者さんとその来院理由により異なります。

また、痛みや違和感を感じたら、完全に悪化する前に来院してください。1年に1,2度予防のために足を運ぶのが理想的です。

はい。
レントゲン写真は、可能な限りより良い施術を行うにあたっての補足的な手段として、大変貴重な情報をもたらしてくれます。 
レントゲン中に特殊な病気が見られなければ、オステオパスはそういった病気の可能性を疑うことなく、技術やテストを使うことができますし、逆に、はっきりと病気のサインがあった場合、施術にあたって細大の注意を払い、慎重に行う必要があるからです。

下着(例・スポーツブラ、スパッツ、トランクス、ボクサーパンツなど)で受けることをおすすめします。オステオパスは、肌の表面を見ることを必要とします。なぜなら、より良い施術をするための助けになる様々な情報を含んでいるからです。特に、オステオパスは手で見て感じ、考えるのです。 
服の上や布越しですと、施術に必要な情報が正確に読み取れず、施術の質を下げてしまうことがあります。

オステオパシーの施術は、日本の国民健康保険は適用されません。 
しかし、民間保険会社や共済保険の適用対象となる場合があります。1年間の保険適用限度額、回数などは各保険の条件によりますので、初回来院の前に、保険会社に直接ご確認下さい。 
尚、施術後に、保険会社に提出可能な、日本語での領収書を発行いたします。

様々なタイプのテクニック(クロニオ・サクレ、ビスセラル、トラスト、筋肉エネルギーなど)があります。
しかし、それらはひとつの“手段“です。 
オステオパスは、一度に、患者さんと治療すべき“問題”、そして時機・精神状態に最も対応する技を選び、その技術の中のすべてを習得していなければなりません。